幼かった心の中には残酷な思い出しか残ってなくて・・・

あのときの過ち・・・それはもうココロにしまった大切な思い出・・・


















































「嫌だ。嫌だよ・・・母さん・・・お願い・・・だから・・・っ・・・止めてよ・・・」
「ごめんね多希・・・貴方だけでも生きて頂戴・・・だから、ごめんね・・・それと、さようなら。」
「お・・母さん!」
幼い少年ー多希は自分を助けようとして暗い谷底へと消えていく母親の影に向かって何度も
とどかない声と涙を出していた・・・
まるで母親と‘助かる’とそう思い、そして願いながらいつまでも、声を上げていた・・・


いつもと変らない朝。暖かな光が部屋に入ってくる・・・何も知らない様に・・・
ふと枕元に置いておる目覚ましが鳴り響いた。
「・・・ん・・・もう6時・・・ったく、またあの夢か・・・」
目覚ましのベルを消して多希は着替えながら、さっきの悪夢のような夢に心を奪われていた。
「俺も早く忘れられると思ったんだけどなぁ・・・まぁ、俺もまだ弱い人間だって事か・・・」
多希は、着替えを済ますと部屋の窓を思いっきり開けた。そのとき内線が部屋に鳴り響いた。
「・・・ったく、うぜぇな・・・はい。多希です・・・」
受話器を取り多希は仮面を被る。しかし、返ってくる返事はいつも冷たい。
「アラ。起きてたのなら早く下に来て頂戴。」
「はい。分かりました。今すぐ行きます。」
内線を切った瞬間、自分自身にまた重荷が乗ってる事に多希は気づく・・・
(本当の母親でもないくせに・・・煩いやつ・・・むかつく・・・)
こうして多希は重い足取りで下へと向かった。


「おはよう御座います。父さん、義母さん・・・」
ドアを開けながら多希は急いで声をかけた。
「おはよう多希・・・近頃お前時間にルーズだなぁ。そんな事ではこの会社を継ぐ事はできんぞ。」
「そうね。最近は多希さん、時間にルーズだわ。将来の会社の事も考えて行動して頂戴・・・」
(煩い・・・てめぇは金さえあれば良いだけのことだろ。)
多希はその言葉には何も返さずに棚の上に伏せてある写真を手にとった。
そんな様子を見ていた父親は、溜め息を一つ吐いた・・・
「多希。お前はいつまでそんなクダラナイ写真を見てるのだ。そんなものどうでもいいだろう。」
父親は多希の本当の母親の姿の写真がくだらないと言う・・・
この写真の中の人物の為に多希は心に深い傷をつくってしまった。
写真の人物は昔、多希を助けようとして自ら死を選んだ女性―――多希の母親だった・・・

「くだらない・・・写真だと・・・?」
「あぁ・・・そんな物に縛られて何になる・・・なんの役にも立たない。それどころか人を縛り付けるだけの物なんだ。
クダラナイに決まってる・・・」
さすがにこの言葉には多希も切れた・・・
「ふざけんじゃねぇ。なにがくだらないじゃぁ。てめぇが決めて結婚したんじゃねぇーのかよ。自分で相手選んで・・・
なのに何時までも母さんのこと何一つ考えてやんなかったてめぇには言われたくないな。」
初めて見る多希が切れた姿を見て暫くの間2人は放心状態だった。
「た、多希さん。あなた何自分の父親に言ってるのかしら・・・あなたの為に御父様はいつも必死なのよ・・・」
先に口を出したのは義母であった・・・
「必死だって?こいつがか?笑わせるな・・・なにが必死なんだよ。妻子ほったらかしにして仕事ばかりにしか
頭のない無神経な父親が俺の為に必死だと?いいかげんにしてくれ・・・そこのババァもな・・・」
「んなっ・・・」
「多希・・・言葉に慎みなさい。」
「なにいてんの。これが俺なの。なんでいちいちアンタたちの言う事聞かないといけねぇんだ?俺はもう自由にする。」
「自由だと?お前なんか最初から自由なんてないんだ。嫌でも鷲の跡を告いでもらう・・・」
「ふざけんな。俺の人生、自分で決めてなにが悪い。俺は自由にさせてもらう。」
「何を・・・多希さん・・・そんなことしたら・・・会社を・・・つぶす気・・・?」
そんな2人の言葉を多希は無視し、自分の部屋へと向かった。かすかに後ろから声は聞こえたが・・・

「なんで最初からこうしなかったんだろうな・・・」
自分の部屋に戻った多希は自分に必要な最低限のものと、通帳、判子なのを鞄に詰め込んだ。 多希は・・・この家を出て行くのだ。
「いつまでもあんな言い訳を聞いてたらこっちがヤばくなるってんの。あぁ・・・もう一度あの家にお世話になるとしようかな・・・」
あの家・・・それは母親と父親が結婚する時に母の頼みで父が建てた恐ろしくも広い土地と家のある所だった。
母が死んでからは、そこは多希のものとなっていた。
「さ、もう準備も出来たし、行こうか・・・」
そういって扉を開けようとしたが扉は開かなかった・・・
何度まわしてもドアノブしか回らない。
「こんな小細工するとはな・・・でも・・・ここは2階。窓から降りれない事はないからな・・・」
結局多希は自分の窓から下へと飛び降りていった。



多希が行く家へは時間がかかったが多希にはどうでもよかった。
しかし、目的地に着いたころには辺りは暗闇になっていた。
そこは周りに家など無くあるのはたった一件の屋敷と土地だけであった。
「今日からまたこの家に世話になるのか・・・」
溜め息がふと零れた。
こんな広い家に・・・たった一人きりで・・・
「まぁでもあんな家に居るよりは何倍もマシだよなぁ・・・」
そういいながら多希はセキリュティのかかった家に入っていった。
その途中、多希は蛍を見た・・・
ずいぶんと見ていない蛍を・・・
どこからか紛れ込んだ野良猫が蛍を捕まえるようにその蛍を狙った・・・
しかし多希が猫を追い返し、そして蛍を近くの木の葉にのせた。
思ってたよりもそれはスムーズにできた仕種だった。
「なんで・・・また蛍・・・忘れられない思い出・・・母と蛍の・・・思い出・・・」
多希はなにか言いかけた言葉を戻すとゆっくりと足を屋敷の中へと向けると、
荷物をおきやがて置いてあったソファの上で寝てしまった。


”ピンポーン・・・”
気が付けば多希は正午近くまで寝ていた。昨日結局この家に着いたのは深夜2時だったのだ。
「・・・ん、何・・・誰か来たのか・・・・??」
先ほどの呼び鈴で目がすっかり覚めてしまった多希は呼び鈴を鳴らした人物を考えながら窓辺へと向かった。
「親父か・・・その部下ってとこかな・・・俺を戻しに来たのかな・・・・・アレ・・・?」
多希はもう一度窓辺をよく見たが誰も居ない。
「気のせいだったのか・・・?」
しかしさっきの呼び鈴の音ははっきりと覚えていた。
「・・・ったく・・・誰だよ。」
一応念の為っと多希は表へ出る事にした。かと言っても表から門までは早くても1,2分は掛かる。
ようやく多希が門に着いた時に一番最初に見たもの・・・それは倒れ掛けていた少年だった。
「おい。大丈夫か・・・おーい。。」
返事はなく変わりに少年のかすかな息だけは聞こえた。
「ちょっとヤバイよな・・・これって・・・」
多希はこう見えても医者の学校へと通ってた。(別に会社は治療系の所では無かったが・・・)
だからその少年の弱ってる姿は一目で分かった。
「こっから病院までは・・・3時間以上かかるな・・・しょーがねぇ、此処で看病するしかないか・・・」
そういうと、その少年を抱え、家の2階の使ってない部屋へと運んだ。


その部屋はまだ綺麗に整えられていた。
多希達がいなかった約9年間の間此処は、多希の乳母やメイドたちがきちんと整えてあった。
そのせいで多希が戻ってきたという知らせを受けそこにいた人達は喜んで多希を迎えいれたのだ。
だから、使ってない部屋やベッド、更には離れまで整えられていた。
「・・・はぁ〜〜〜でもどうしたんだろうか・・・この少年は・・・」
少年を家の中へと連れていって見た所、大きな病気ではなかったのが幸いだった。
しかし、半日たった今でもなんの変化が現れなくては不思議でしょうがなかった事と不安が多希には感じられた。
「この少年の事も気になるが・・・どうしてこんな森奥の町から大分離れてる所にいたんだろうか・・・?」
そう。いくらここに豪華な屋敷がたっていても此処は待ちはずれだし、森奥にどうしてこんな少年が・・・・?
「はぁ〜〜、まぁいいか。後で本人にきけばいいからな・・・」
そう言うと多希はメイドたちに後の事を任せて独り離れへと足を運んでいった。


離れに着いた多希は学校での仕事内容とここの管理表をみて溜め息を吐いた。
「はぁ〜〜、やっと少し休める・・・あんな家にいつまでもいたんじゃぁ俺が自分自身を壊してしまうからな・・・」
溜め息の原因・・・それは今の多希の様子を現していた・・・
「・・・またこんな事を考えるなんて・・・俺もまだ弱い・・・」
何も考えたくない・・・多希はそう思い、目の前にある書類を夢中になって片付けていった。
その時突然、内線がその部屋いっぱいに鳴り響いた。
「・・・もしもし・・・・」
内線の向こうの相手はどうやらメイドらしい・・・
『多希様。先程の少年が目を覚ましました。』
「目を覚ました・・・?分かった。スグに行く。」
多希は内線を置くとすぐに離れから足を遠ざけた。
(さっきまでなんの変化もなかった少年が目を覚ました・・・?いったい誰だろう。あの少年は・・・)
そう考えている間にいつのまにか多希はその少年の部屋の前まで来ていた。


「大丈夫か・・・?」
多希はまだベッドの中にいる少年に言った。
「・・・」
しかし返事が無く、変わりにそこに居たメイドが喋った。
「目を覚ました時から何も話さないんですよ。この子・・・」
「・・・そうか・・・分かった。おまえ達下がっていいから・・・」
「分かりました。用が有る時は内線でお呼び下さいませ。」
メイドは出て行き、その部屋には多希とその少年だけになった。
「なぁ・・・お前話せないのか・・・?」
「・・・」
それでも少年は何も話さなかった。
「ちょっと診察するか・・・?」
これも少年は何も返事を返さなかった。しかし今度はちゃんと首を横に振った。
「なんだ。ちゃんと反応するんだな・・・」
そう話してるうちに多希は気が付いた。その少年がかすかに震えていることに・・・
「お前・・・寒いのか・・・?」
そういって多希が少年に布団をかけようとした時に体が一瞬強ばり訴えるような目で多希を見た。
「怖いのか・・・?」
少年は何も言葉を返さずに目に涙をためていた。
「大丈夫。怖くないから・・・ちゃんと身体が治ったら家まで送るから・・・だから今は安心しろ。」
多希は子供をあやす様にその少年の頭を撫でながら言った。
「・・・本当・・は・・怖くないの・・・」
突然少年は声を出して話したのでこれには多希も驚いた。しかし、軽くその後笑った。
「なんだ。話せるのか・・・」
「うん・・・此処どこ?」
少年は少し高く小さな声で聞いてきた。
「ここは俺の家。で昨日お前が倒れてたからここにいるの。」
「・・・そうなんだ・・・」
「ところでお前はどうしてこんな森奥にいたんだ・・・」
「・・・わかんない。」
「え・・?わかんないのか・・・じゃぁ名前は・・・?」
「名前・・・流羅。」
「流羅・・・めずらしい名前だな・・・」
「そうなの・・・?先生の名前は・・・?」
「俺?俺は多希。小林 多希。とその前に俺行っとくけど先生じゃないからな。」
「え?先生じゃぁないの・・・」
「そう。違う。俺は先生じゃぁない。ま・とにかく寝るのが一番。さ、もう寝ろ・・・」
まだ眠たそうでではない流羅を横にして多希はベッドから離れようとした。
「まって・・・」
呼び止められ多希は振り向いた。そこにはまた泣きそうな顔をして此方を見ている流羅がいた・・・
「ん?どうした。」
「いっちゃやだ・・・」
「は・・・?」
「いっちゃやだ。・・・もう少しだけここにいて・・・一人はやだ・・・っ・・・」
多希は窓を締めに少し席を立っただけなのに、流羅は一人置いていかれるとでも思ったのか・・・?
「大丈夫。一人にはしない。ここにいてあげるから・・・」
「本当・・?」
泣き腫らした目で流羅は多希を見ていた。
「あぁ・・・居るから。さ、寝なさい。」
「うん・・・ねぇ・・・一つ頼んで良い?」
「何。なんでもいいよ・・・」
「僕ここにずっと居ては駄目・・・?」
この言葉には多希も黙ってしまった。
「どうして・・・?流羅がここにいたらお母さん達悲しむよ・・・」
「だって・・・お母さん達もう居ないから・・・それにここにいたいの・・・駄目・・・」
「居ない・・・?」
「・・・っ・・・だって・・・死んじゃった・・・お母さん達・・・っ・・・」
また流羅は涙を流した・・・
「ごめんな。嫌な事思い出させて・・・いいよ。ここにいても・・・」
「いいの?本当に・・・」
「いいよ。だから今日はもう寝なさい。」
「は〜い・・・」
流羅もその言葉に安心したように眠りの世界へと入っていった。
多希はそれをずっと優しく見守っていた・・・いつまでも・・・
こうして多希はこの家に流羅を置く事にしたのだった・・・
また、この2人が哀しい思いをするとも知らずに・・・






































































































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