風を越えて・・・・
T.
「母さん・・!・・っ何処に行ったの?!父さん・・・姉貴・・・何処だよ・・・」
ある一つの町並みから少年の声がする。何もない町並みから・・・・あるのは・・・
焼けていく火の海となった町並みだけ。人は・・・・誰も居ない。
剣で刺されたように・・・・血の匂いが生々しく漂っていただけ。
その中でなぜ少年が・・・・・?!
「どこ・・・母さん!」
少年は何処までも走って行く。火の海の中を・・・・
その遠くの方で何かが動いてる。
「母さん・・・?母さん・・・・・」
やっと見つけたと思う少年の顔とは別に母と呼ばれた人の体は血の色で真っ赤に染まっていた。
「母さん!!」
「来ないで・・!!・・・・て・・・」
「母さん??・・・・何・・・・・どういう事・・・・」
「私たちの一生の敵の種族が・・・責めてきたのよ・・・・もうこの町は・・・・」
「な、何言ってんだよ母さん。その傷の手当てを・・・・・」
「貴方も知ってるでしょう。私たちの家系に伝わるペンダントの力を・・・・
だから・・・これを持って逃げて・・・・っ。」
「母さん・・・?!!」
「お願い・・・・・来ないで・・・・・もう誰も死んで欲しくないの・・・・・」
倒れ掛けた体で・・・血を口から出しながら・・・・精一杯の声で叫んでいる姿が痛々しくもあった。
「駄目だよ・・・・母さん・・・・そんな事できない・・・・」
「お願い・・・私の最後の頼みを聞いて・・・・・お金は家の地下にある。そこなら・・・まだ無事。
全ての事がその地下室にあるわ・・・・ペンダントをもって・・・逃げて・・・」
「嫌だ。母さん・・・母さん・・・・」
一歩ずつその少年は母の方へと歩いていった。倒れている母の元へと・・・・・
「・・げて・・・逃げて・・ミ・ラノ・・・・逃げてミラノ!!」
母が突然叫んだ。少年は・・・一瞬立ち止まったが泣きながら少年もまた叫んでいた
「母さん!嫌だ一人で逃げるのは・・・・・母さん諦めないでよ・・・・一緒に・・・。」
「何言って・・んだ・・ミラノ・・・いいから逃げて・・・・貴方だけでも・・・生きていて・・・・」
「い・・・嫌だ・・・一人でなんて・・・俺には・・・・・無理だ・・・」
「相手はこのペンダントを狙ってるんだ・・・・いいから・・逃げて・・・私たちの分まで生き抜いて・・・・」
「母さん!!!」
「ミ・・・ラ・・・ノ・・・」
それが最後の母との言葉だった。辺り一面に血の水溜まりが出来ていた。母は・・・・・・
ペンダントとロケットペンダントを持って・・・・・息を返す事は2度と無かった。
「母さーーん!!!!!!!!!」
そう叫んでいる間にも敵の影は迫ってくる・・・・
独りになった少年にはその事実を理解する事は無理だった。
それでも、母の言葉だけは少年を導いていき近くの安全な丘へと連れていった。
「ミラノ・・・・」
突然背後から声がした。それも懐かしいような声だった。
「姉貴・・・・どうしてここに・・・・」
そこに出てきた姉の姿も母と同じように血で赤く染まっていた。
「その・・・傷は・・・・と、父さんは・・・・?!」
「・・・・パパは・・・・死んだわ・・・・ついさっき・・・あの町で・・・・」
母が死んだっというだけでも衝撃的な出来事だったが父も死んだという事でさらに心の傷は深くなっていくばかり・・・
「どうして・・・・?!どうして死なないといけないんだよ。何もしてないのに・・・・どうして・・・」
「落ち着きなさいミラノ。全部話してあげるわ。私たちが血を流した理由も・・・・そう全てをね・・・・」
少年−ミラノは一瞬顔を姉の方へと向けた。
「姉貴・・・・なんか知ってるのか・・・・」
「えぇ。少しなら・・・・・私たちのこの種族やさっきの敵もすべて元は一つの種族だったの。
そして争いの無い平和な町もが出来ていった。科学者が変なものさえ作らなければ・・・・」
「変なもの・・・・??」
「その・・・・ペンダントの事。そのペンダントには力が在ってね、選ばれた人には力が勢力が与えられる。
選ばれなくてもそのペンダントを持ってるだけで力が得られる。」
「これが・・・・このペンダントが・・・・??」
ミラノは先程母から預かったペンダントを見た。汚れる事も無く澄んだ青い光を放っていた。
争いを望まない人のような魂のように・・・・・
「そのせいで町は・・・・平和だった町が・・・・2つに離れた(ワカレタ)の・・・そして始まったわ。
醜い争いが・・・・そして私たちの種族が勝った。その時からだった。2つの種族が犬猿の仲になり、
お互いを敵だと意識し始めた・・・・さっきのは・・・・敵がまた動き出したの。あれから500年が過ぎ
また訪れる選ばれし者になる為に・・・・・その為にはそのペンダントが必要となる。」
姉の言葉全てが疑えるような内容だったがその真剣さから真実という事を悟った。
「なんで・・・・それでなんで死ななきゃいけないんだよ・・・母さん。父さん!!」
「ミラノ・・・いいよくきいて・・・私の命もあと少ししかないわ・・・ママが貴方にどうして渡したかわかる??
その大事なペンダントを・・・貴方になって欲しいからよ。つぎの選ばれし者−後継者に・・・
解るわよね・・・これくらい。」
「あぁ・・嫌でもな。でも・・・そんなの俺には無理だよ・・・なれない。それより姉貴の傷の手当てをするのが先。
もうこれ以上家族が死ぬのは嫌だ・・・・・だから姉貴も死ぬなんて言うなよ・・・・俺・・一人になっちまう。
それなら俺も死んだ方がマシ。」
「ミラノ・・・・った・・・」
次の瞬間目の前に居る姉が倒れ血を口から出しながら何かを言おうとしている。
「姉貴!!死ぬなよ・・・今・・・医者に・・・連れて・・い・・く・・・か・・・・ら・・・」
そして・・・姉と一緒にミラノもその場で意識を手放した。
「・・・っん。」
「気が付いたの?大丈夫??」
「ここは・・・・?」
ミラノが目を覚ました場所は丘の上ではなく煉瓦で出来ている天井の下だった。そしてミラノの横に居る人物は
心配そうな顔でミラノを見ている。
「安心して。此処は病院。敵は誰も居ないわ。」
「・・・病院・・・・どうして俺はここに居るんだ。確か・・・丘の上で倒れたはずなのに・・・・」
「・・・此処の町の住民が行ったのよ丘に。そしたら貴方達が倒れてたの・・・もう少し遅かったら危なかったわ。」
「貴方達・・・?・・・そうだ・・・姉貴、姉貴は!!大丈夫なのか・・・・!!」
「隣の部屋に・・・居るわ・・・・」
なぜかそう答える女の声は悲しみが含まれているように思えた・・・
「逢いたい・・・姉貴に逢いたい・・・・もう姉貴しか居ないんだよ。俺の家族は・・・・」
「でも・・・逢っても何にもならないのよ・・・・」
「どういう事・・・・??」
女はさっきから何かを隠している・・・・そうミラノは感づき始めた。
「貴方のお姉さんは・・・・記憶を無くしてしまってる・・・・ショックだったのね。家族が死んだ事が・・・・」
「姉・・貴が・・・記憶・・喪失?」
こっちまでもがショックで頭が痛い・・・死の次は記憶喪失・・・ミラノはどんどん闇に落とされていく絶望的な思いが出てきた。
「俺を・・・俺を一人にしないでよ・・・姉・・貴・・・っ・・」
「・・・ミラノさん・・・貴方に言わないと駄目な事があるのよ・・・貴方の持ってるそのペンダントそれは命さえ簡単に取ってしまう。でも逆に命を
与える事も不可能ではないの・・・・」
「・・・それが何・・・今の俺には関係ないんだよ・・・」
親愛の家族すらもうこの世に居ない。居るのは記憶の無い姉だけ・・・
「貴方のお母さんには・・・もう一人の子供が居たの・・・」
「え。もう一人・・・誰か兄弟が・・・居た?」
「そう。多分知らないと思うわ・・・その子供は・・・もう昔から目を開けてないの・・・」
「目を開けてない?どういうこと・・・」
「眠ってるの・・・ずっと・・・・貴方の命と引き換えに・・・」
「俺の・・・命と?どうして・・・」
「・・・・呪いがかけてあった。知ってるでしょう。右腕にある黒い十字架。
貴方達の敵の呪い・・・2人ともは助からない。どちらか一人だけ・・・だから貴方に命を渡した。
どちらかだけでも助かるようにと・・・・」
「・・・その人は・・・今何処に・・?」
「・・・この病院の地下に居るわ・・・助ける方法はただ一つ。そのペンダントで助けることだけ。
貴方がもしもう一度その兄弟に逢いたいと思うなら・・・地下室へ案内するわ。
もちろんその傷が治ってからだけど・・・」
「わかった。治ったら・・・俺をつれてって・・・・」
「・・いいわ・・・」
(今は・・・その兄弟が居るだけでいい。俺はまだ一人じゃない。
でも・・・姉貴を・・・記憶が・・・戻ってくれないと俺は・・・
まだ・・・・俺はまだ弱い・・・・・・)
その日からミラノはずっと黙ったまま何かを考えていた。
やがて傷がすべて癒えて地下室へと足を向けた。
「これが貴方のもう一人の兄弟よ・・・・」
ミラノが連れて行かれた所は薄暗い廊下を抜けた突き当たりの部屋だった。
蒼いライトに照らされたベッドでは一人の少年が寝ていた。
「これ・・が・・・?」
「?そうよ・・・それがどうかしたの??」
「だって・・これ・・・俺じゃんか・・・・」
ミラノが驚くのも無理はなかった。ベッドに寝ていた少年はミラノと瓜二つだったのだ。
「そうよ・・・だってこれは貴方の双子の兄なのよ・・・貴方に似てる筈よ・・・」
「双子・・・?こいつと俺が・・・・双子・・・・」
「あら・・・どうしたの・・・そんなに震えて・・・・」
「嬉しいんだよ・・・兄弟に逢えた事が・・・・」
「・・そう・・・・で、どうするの?貴方の兄さんの目をもう一度開けてみるの??」
「・・・」
(俺だって兄さんを・・・・助けたい・・・でも・・俺には出来るかさえも解らない・・・)
そんなミラノの不安な気持ちを察してか看護婦はそっと優しくミラノに言った。
「誰だって失敗は恐れるわ。でも・・・その壁を乗り越えないと本当の強さは得られない。
わかるでしょ。これくらい・・・本当に貴方がお兄さんを助けたいっと思うなら恐れずに
やる事が一番なの。誰だって最初は怖いものよ・・・」
「・・・わかった・・・やってみる・・俺が・・・・兄さんを・・・」
(決心したんだ俺は俺自信に・・・こんなとこで弱音を吐いてるわけにはいかないんだ・・・
俺は強くなる・・・そして・・・奴等を越えてやる・・・・)
「そう・・・よかったわ・・・・最初は私が教えるわ・・・その通りにやって。」
そしてミラノと看護婦は一歩また一歩と兄の方へと近づ居ていった。
「そのペンダントをお兄さんの胸の上に置いて・・・その上に自分の手を重ねて・・・・」
ミラノはいわれたままにその言葉にしたがった。
「そして・・・願って・・・心の中で・・・・もし・・・声が聞こえたら・・・名前を言って・・・貴方の名前を・・・・」
いわれた通りに手を重ね心で願った・・・・・
(兄さんを・・・・もう一度兄さんの目を開けて・・・生き返らせて・・・・)
ミラノは必死に唱えた。周りの音さえも気にならない程に・・・・
(・・・貴方は・・・誰・・・・・)
(え?・・・俺は・・・ミラノ・・・君は・・・?)
(ミラノ・・?・・・・決めた。貴方にするわ。)
(はぁ?!何言ってんの?俺は今忙しいの。話し掛けてくるな・・・)
(ふ〜ん。まあいいわ。・・・“汝この姿と在りし主に捧げる、後継者−ミラノに我の力与える”)
(なに・・・後継者・・?ペンダントの??俺が・・・・?)
(兄を助けたいのだろ。だから貴方に力を渡すわ・・・永遠に・・・・)
(まって・・・・)
しかしその声は届く前に光の中に溶け込んでいった。
(眩しい・・・この・・・・光は・・・・?)
「・・さん・・・・ミラノさんっ大丈夫ですか・・・・?」
「・・っん・・ここは・・・・」
「地下室ですよ・・・よかった。無事だったんですね。」
「えぇまあなんとか・・・・」
ミラノは重い体を上げながら曖昧に答えた。
「それで・・・・兄さんは・・・・?」
思わずミラノは看護婦に聞いた。
「・・・貴方の目で確かめるといいわ。」
そう言って看護婦はベッドの方へと目をむけた。ミラノはベッドの上を覗いたがそこに居たのは・・・・
身動きせずに先ほどと変らないままの姿の兄だった。
「・・・失敗したんだ・・・俺は・・・」
「・・・・・・ラノ・・・・ミラノ・・・」
「!」
かすかに聞こえた声は兄の口元から聞こえていた。
「・・兄さん!」
そう。確かに兄はもう一度目を開いている。
「ミラノ・・・?・・・」
「よかったわねミラノさん・・・成功したのよ・・・・」
「兄さん・・・・」
「兄さんなんて今更言うなよな。前みたいに名前で読んで欲しいのだけどな。」
今まで目を開けてなかったという方が不思議なぐらい兄は元気だった。
「前みたいにって・・・・?どういう事??だって俺兄さんの名前知らないよ。」
「おいおい。忘れるなよ・・・俺達2回ぐらい夢で逢ってるんだけどな・・・・」
はぁ・・っとため息が辺りに響いた。
「記憶にないよ。そんなこと。っで、名前は・・・?」
「ったく。今度は忘れるなよな。俺の名前は“グリーン”こんな簡単な名前なんだ。
忘れるなよ。絶対。」
「はいはい。わかりましたよ・・・・」
「所でミラノは俺達一族に伝わる誓知ってるか??」
「誓?誓ってさっき俺がやったやつの事・・・?」
「さっきのって・・・主を決めるやつか??それじゃないやつは知らないのか・・?」
「そんな物は聞いた事有りませんわ。」
ミラノではなく先程から居る女が答えた。
「って事は・・・ミラノも聞いてないわけだ。」
「うん。ていうかそんな誓とかあるのってさっき知った所なんだよ・・・」
「・・・あっそ。はぁ〜〜こんなのが主か・・・」
「どういうことだよグリーン。俺が主だと悪いのか。」
「んなこといってない。ただ・・・物好きな精だなぁ・・と思ってさ。」
「っんな・・・」
「そんなことより早くしないと相手が来ちまう。」
「来るって誰が・・・」
「それは・・・」
その時上から騒々しい物音と人の叫び声が聞こえてきた。
「っっ。遅かったか・・・行くぞミラノ・・・」
「行くってどこに・・・」
「とにかく此処を出るんだ。」
そういうとグリーンはベッドから飛びミラノの手を取り外へ行こうとしたが看護婦に止められてしまう。
「まって。ミラノさん、遅くなってしまってごめんなさい。これを・・・」
そう言って渡されたものは剣と水瓶だった。
「これは・・・?」
「貴方の・・・一族にこれも伝わるもの・・・時が来るまで私がもっていました。」
「なんで・・・貴方がこれを・・・?」
「私は元々はこの一族の敵・・・今攻撃を仕掛けてる一族として生まれ変わりました。しかし、ある日私は捨てられました。
見つかった所は敵の所・・・今のこの場所でした。自分の一族を捨てて私は此方の一族に入る事を神に誓いました。
そのときに預かったもので、次の主が行くときに渡すと言われもっていました。」
「・・・そりゃぁ俺も初耳だわ・・・」
「じゃぁこれは俺の持つもの・・?」
「そうだ。・・・ミラノ早くしろ。」
いまだに状況がつかめないミラノを引っ張り2人は町の外へと向かった。
「なにするんだよグリーン。町がまたなくなっちゃう。助けにいかないと・・・」
「大丈夫だから。あの町は。」
「なんでだよ。なんでそんな事がいえるんだよ。」
「さっきの女がいるからな。あいつは魔術使いらしいからな。」
「へ?魔術使い・・・?」
「そ・だから大丈夫・・・」
「よかった・・・」
一瞬ほっとしたミラノにグリーンはさきほどの続きを話し始めた。
「でさぁ・・・ミラノ。怒らず聞けるか・・・?」
「何を・・・・・?」
「誓の事。絶対怒ったりしないなら本当のこと言うけど・・・」
ミラノにはどうしてグリーンがためらってるのかがわからない。
だから後悔するとも知らずに返事をした。
「怒らないって・・・で何。誓って。」
「伽って言葉知ってるよな・・・?」
「な、何いってんだよ・・・」
「俺達の一族では1度伽をするとその相手が一生の相手になるわけなんだが・・・」
「へぇ〜〜っていうかそれって俺が怒るような事じゃないんじゃ・・・」
「違う。問題はここからで・・・実はミラノお前、伽したことあるんだよなぁ・・・」
「ふ〜〜ん。って俺が?!!何時。相手は??んなこと俺覚えてねぇよ。」
「それがさ・・・相手はこの俺なんだけど・・・」
一瞬周りは沈黙に包まれた。
「嘘だよな。何言ってるんだよ。冗談キツイよ・・・」
「悪いけど冗談じゃない。」
「嘘だ。嘘だ。嘘だぁ〜〜〜」
「っという事でお前は俺の物〜〜vv」
そう言いながらグリーンは嫌がるミラノを後ろからギュッと抱きしめた。
これからどうなっていくのでしょうか・・・ミラノは・・・
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